研究部の概要
本研究部は,昭和58年度に県高等学校体育連盟調査研究委員会として活動を始めました。平成5年度に研究部と名称を改め現在に至るまで,部活動等に関わるテーマで研究に取り組んでおります。構成メンバーは部長(副会長),委員長および副委員長,委員の計10名で活動しています。
1.これまでの研究部の活動内容
毎年行われる「全国高等学校体育連盟研究大会」では,各都道府県の研究部が3つの分野で発表しています。
(1) 競技力の向上
(2) 健康と安全
(3) 部活動の活性化
本県も数年おきに研究発表をおこなっています。これまでの研究発表については下記のとおりです
年度 | テーマ | 分野 | 開催地 |
昭和62年度 | 運動部活動に関する保護者の意識調査について | 部活動の活性化 | 高知 |
平成4年度 | スポーツ障害に関する調査研究 ~部活動中におけるスポーツ傷害について~ |
健康と安全 | 京都 |
平成6年度 | 競技力向上の方策を求めて ~運動部活動に関する基礎調査と九州・全国大会等出場者に関する実態調査との比較・検討~ |
競技力向上 | 千葉 |
平成10年度 | 本県における運動部活動者の傷害の実態~傷害の防止策を求めて~ | 健康と安全 | 新潟 |
平成13年度 | 本県における今後の運動部活動の在り方について ~スポーツ振興基本計画における運動部活動の運営の改善等を踏まえて~ |
部活動の活性化 | 奈良 |
平成16年度 | 競技力向上の方策を求めて ~平成5・6年の本県の調査研究と10年後の調査研究との比較から~ |
競技力向上 | 三重 |
平成19年度 | ドーピングに関する意識調査 ~本県におけるドーピングに関する実態調査と今後について~ |
健康と安全 | 石川 |
平成23年度 | 高校生サッカー選手に必要な基礎体力を総合的に改善するためのボールを利用したトレーニングプログラムの検討【優秀賞受賞】 | 競技力向上 | 鹿児島 |
自尊感情を高めるような運動部活動のあり方について ~運動部活動に関する意識調査より~ |
部活動の活性化 | ||
平成27年度 | 本県の運動部活動生に対する意識調査 ~2020年『燃ゆる感動かごしま国体』にむけて~ |
競技力向上 | 宮城 |
平成30年度 | 女子運動部の指導者が持つ月経周期等の知識に関する調査 ~女性アスリートのためのe-learningを用いて~ |
健康と安全 | 山梨 |
令和4年度 | 持続可能な部活動に向けて ~鹿児島県の運動部顧問の現状からみえてくること~ 【優秀賞受賞】 |
部活動の活性化 | 長野 |
2.全国高等学校体育連盟研究大会発表以外の活動
全国高等学校体育連盟研究大会発表以外にも活動しています。おもな内容については,下記のとおりです。
平成9年度 | 「青春の軌跡-昭和43年度~平成8年度,高体連の歩み-」を発行(各校に配布) |
平成11年度 | 第10回日本臨床スポーツ医学会学術集会(東京都)で「本県における運動部活動者の傷害の実態~傷害の防止策を求めて」を発表 |
平成14年度 | 「本県における今後の運動部活動の在り方について~スポーツ振興基本計画における運動部活動の運営の改善等を踏まえて~」を高体連ジャーナル第3号に紙面発表 |
平成17年度 | ・「競技力向上の方策を求めて~平成5・6年の本県の調査研究と10年後の調査研究との比較から~」を発行(各校に配布)し,高等学校,盲・聾・養護学校保健・保健体育担当者研修会で発表 ・ドーピングに関し,鹿児島大学の橋口知先生を講師として研修会を実施 |
平成23年度 | 全国高体連研究発表大会を本県で開催 |
平成29年度 | 平成30年度山梨大会の発表に向けて,「女子運動部顧問がもつ月経周期等の知識に関する実態調査(仮題)」についてのアンケート調査を実施し,その調査結果を基に県保健体育課とシンポジウムを実施 |
第57回全国高等学校体育連盟研究大会の発表
令和4年度の全国大会は本県発表の年であり,第3分科会の「部活動の活性化」部門において発表しました。
~研究テーマ決定から調査研究まで~
令和元年度から,部活動活性化に関する課題をもとに話し合いを重ね,令和2年度には持続可能な部活動について調査研究していくことを決定いたしました。学校を取り巻く環境において,教員の働き方改革や部活動の地域移行などがクローズアップされる中,本県の運動部活動や顧問が抱える問題を明確にして,運動部活動をより活性化させていくための一助とすることを目的としました。運動部顧問の意識調査の実施から結果のまとめまでについては,以下のような経過になります。
(1)令和2年度 研究部委員の所属校に依頼して予備調査(アンケート)を実施。
(2)令和3年度 県下15校に本調査(アンケート)をgoogle formで実施。310名が回答。結果の分析と考察について研究部会で検討を重ねる。
(3)令和4年度 発表原稿の執筆とプレゼンテーションの作成。全国大会発表のリハーサルをおこない,発表後に想定される質疑等についての集約。
~第57回全国高等学校体育連盟研究大会の発表~
令和5年1月12日,13日の2日間,長野県ホクト文化ホール(長野市)にて,第57回全国高等学校体育連盟研究大会が開催されました。 本県は,第3分科会での発表をおこないました。 『持続可能な部活動に向けて その結果,優秀賞を獲得することができ,翌日の全体会で表彰されました。 |
発表の様子 |
受賞式 |
評価をいただいた理由については次の通りです。
(1)発展性・有用性・信頼性などをもとに,次につながるものかどうかを見極めて判断した。 (2)部活動の必要性を感じつつも,体育科以外の教員の意見なども細かく分析されていた。 (3)自由記述がわかりやすく丁寧に分析されており,今後の部活動の持続性につながるものと判断した。 ※発表内容と受賞については,2023年1月16日付讀賣新聞朝刊に掲載されました。 |
おわりに
令和4年度の発表において,アンケートに御協力いただいた教職員の皆様をはじめ,御指導や御支援を賜りましたすべての皆様に心よりお礼申し上げます。運動部活動に関する課題はさまざまですが,本県の運動部活動が発展していくために,これからも調査研究に励んでまいります。今後とも御協力よろしくお願い申し上げます。